日本医科大学多摩永山病院 女性診療科・産科

診療のご案内

産科・婦人科の病気

HOME>診療のご案内>産科・婦人科の病気>婦人科がん

婦人科がん

子宮頸がん

子宮頸がん

子宮頸がん健診で精密検査が必要とされた方

必要に応じて、子宮頸部を拡大鏡で観察する「コルポスコピー」と呼ばれる検査や、病気の度合いが最も強そうな場所を狙って組織を少し削り取ってくる、「ねらい組織診」を行います。最初に受診されたその日に行うことが多いのですが、入院して検査することもあります。
その後必要な方には、病気の起こりやすい部分全体を円錐形に切り取り(子宮頸部円錐切除術)、そのなかにどの程度の病気があるのかを診断します。円錐切除術で治療が終了する方もいます。

不正性器出血がある方

子宮頸がんも不正性器出血の原因になります。出血は褐色の帯下(おりもの)だけの場合もあります。しかし、不正性器出血はがん以外の多くの原因でもおこりますので、不正性器出血があるからといって、がんとは限りません。原因がわからない場合は必ず早めに婦人科を受診してください。

子宮頸がんが心配な方、子宮頸がんと診断された方

コルポスコピー、ねらい組織診、子宮頸部円錐切除術(「子宮頸がん健診で精密検査が必要とされた方」参照)のような検査や、内診、CT、MRIなどの検査の結果で進行期を決め、手術や放射線療法を行います。当院ではどの進行期の子宮頸がんの患者さまにも対応できます。子宮頸がんの治療に必要な広汎子宮全摘出術や放射線治療、放射線・抗がん剤同時併用療法を行っています。子宮腔内照射が必要な方は日本医科大学付属病院(東京都文京区)と連携し治療します。

子宮体がん

子宮体がん

子宮体がんが心配な方、子宮体がんと診断された方

子宮体がんの患者さまの90%に不正性器出血があります。不正性器出血はがん以外の多くの原因でもおこりますが、原因がわからない場合は必ず早めに婦人科を受診してください。子宮体がんを検査するためには、子宮内膜の細胞や組織を採って調べる子宮内膜細胞診や組織診を行います。細胞診では子宮の奥(子宮体部)に細い棒を入れてこすり、周囲の細胞を採取します。初診の時に行うことが多い検査です。子宮口が狭いなど細胞診が難しい場合は、経腟超音波検査をして、子宮内膜の厚みを調べる方法もあります。組織診は子宮体部の組織を削り取る検査で、子宮口をひろげる処置や、麻酔をかける必要がある場合が多く、通常、日帰り入院で検査します。
以上のような検査で子宮体がんであることが確認された場合には、MRIやCTなどの画像検査を行い、がんの広がりを診断します。子宮体がんの治療は手術が基本です。進行症例には、抗がん剤を用いる化学療法や放射線療法などいくつかの治療法をあわせて行う集学的治療が行われます。前がん病変とされる子宮内膜異型増殖症や初期の子宮体がんの一部に対しては、子宮を温存するホルモン療法もあり、相談して選択しています。当院ではどの進行期の子宮体がんの患者さまにも対応できます。

卵巣がん

卵巣がん

卵巣がんが心配な方、卵巣がんと診断された方

卵巣の腫瘍は良性腫瘍、境界悪性腫瘍、悪性腫瘍に分類され、卵巣がんは卵巣の悪性腫瘍です。境界悪性腫瘍も多くは卵巣がんに準じた検査や治療を行います。(良性腫瘍に関してはこちら)

卵巣がんは、腫瘍が小さい場合は無症状のことが多く、気付くのが遅くなることが多い病気です。卵巣がおなかの中の臓器なので、子宮頸がんや子宮体癌のように細胞の検査を行って早期の変化をとらえることはできません。診断するには、内診、MRI、CTや、採血で腫瘍が存在することで増加する物質(腫瘍マーカー)の血中濃度を測定して診断の補助に用います。以上のような検査で卵巣がんが疑われた場合は、手術で付属器(卵巣と卵管)を摘出し、手術中に顕微鏡で調べる検査(術中迅速診断)を行って、がんの確認をします。

卵巣がんでは、付属器だけではなく、子宮やリンパ節なども摘出する手術が基本です。手術後は抗がん剤を用いた化学療法を施行し、残存腫瘍や腫瘍細胞の完全消滅をはかります。腫瘍がすでに進行しており、摘出が困難な場合は、腫瘍の一部だけを摘出し、手術後の化学療法の効果を期待する方法もあります。今後の妊娠の希望があり、がんが初期の場合は、妊娠する可能性を残す方法も相談し選択できます。
当院ではどの進行期の卵巣がんの患者さまにも対応できます。

その他の悪性腫瘍

その他の悪性腫瘍が心配な方

当院では子宮肉腫、卵管がん、絨毛がんなどの治療も行っています。そのほかの婦人科の病気については、電話でお問い合わせください。

がんの遺伝について

婦人科がんの遺伝が心配な方

現在、日本人の約2人に1人はがんにかかると言われています。生活習慣(環境要因)、加齢、体質(遺伝要因)などの要因が様々に影響してがんが発生すると言われていますが、がん全体の5%から10%に、生まれつきがんになりやすい体質を持っている方がいます。このような方に発生するがんを「遺伝性腫瘍」といいます。

婦人科がんに関連する主な遺伝性腫瘍には、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)症候群、リンチ症候群などがあります。遺伝外来では遺伝カウンセリングとともに、必要に応じて検査の相談もしています。

当院では、がんの遺伝についての相談を行っています。事前に通常の外来を受診して頂きご相談ください。

ページの先頭に戻る