病院長より皆様へ

女性診療科・産科受診のすすめ

多摩地域（南多摩医療圏：多摩市、八王子市、日野市、稲城市、町田市）において、わたくしどもの女性診療科・産科は、最も多くの産婦人科医師が在籍している施設で、その果たす役割は極めて重要です。

特に妊娠・出産に係る救急医療、いわゆる周産期救急における中核病院として、これまで多くの実績をあげてきました。

その原動力になっているのは、当院スタッフの技術力に加え、地域にある施設との密接な連携です。代表的な取り組みの一つに「母と子のネットワーク」と名付けられたセミオープンシステムがあります。これは、当院で出産を予定された方のうち、比較的リスクの低い方の健診を連携する約40施設に委託するものです。それにより、受診する皆様は家から近い施設で待ち時間の少ない診療が受けられ、夜間や救急の際は紹介状などを用意することなく当院を受診することができます。また、当院では外来負担が軽減する分、救急患者の受け入れを拡充することが可能になり、地域の連携施設では、当院と同等の検査手順や診療内容を実施することで、地域全体の医療が標準化されていきます。医療の標準化はすなわち医療レベルの向上に繋がります。このシステム導入以降、多摩地域の胎児・新生児の死亡率（周産期死亡率）は大幅に減少し、東京都の平均を下回る水準になりました。

また、妊娠・出産だけではなく、内視鏡手術、がん診療においても大学病院として遜色ない医療を提供しています。これら女性の病気は疾患そのものの特性に加え、皆様お一人おひとりの社会的背景によっても、治療方針や対応が異なります。当科では、それぞれの事情を踏まえた診療を心がけており、疾患によってはその特殊性を踏まえ、至適な施設へご紹介することも可能です。

建物はやや古くなり、現在建て替えを計画中ですが、最新かつ高水準の医療を提供させていただきます。体調でお困りのことがあれば、是非一度ご相談にいらしてください。