リスクサイン
リスク1:帝王切開.鉗子分娩.悪露の減少.
リスク2:発熱.
リスク3:骨盤腹膜炎.敗血症性ショック.
産褥看護ポイント
産褥期1週間以内の発熱にはしばしば遭遇する。大部分は乳汁うっ滞や軽い乳腺炎、あるいは悪露滞留などによるもので、本稿で示した子宮内膜炎は比較的まれである。しかし、一旦発症すれば難治性で、さらなる重症感染症に発展する危険がある。
- 産褥期に体温評価を行なう場合、腋下用の体温計では乳房緊満、乳汁うっ滞などが影響するため、口腔内用の体温計が勧められる。鼓膜音なども安定した評価が行えるが、深部体温のため通常の温度より約0.5〜1℃程度は高めになる。
- 発熱をみた場合、まず子宮収縮と悪露の性状を確認する。
- 悪露があまり排出していない場合は、悪露滞留が疑われる。内診指を頸管内に進め、通過性を確認する。この際、用手的に頸管拡張を試み、中等量の悪露流出が促されれば、数時間後に解熱する。
- 悪露が流出し悪臭があり、かつ、子宮に圧痛が認められれば、子宮内膜炎の可能性が高く、速やかな医療介入が必要になる。
概念
何らかの原因による子宮、腟、外陰部への細菌感染に由来する熱性疾患を産褥熱とよぶ。産褥10日目までに2日以上にわたり38℃以上の発熱をきたす。