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(1)子宮復古不全
リスク1:血性悪露の持続. リスク2:子宮収縮不良.性器出血増加. リスク3:なし.
血性悪露が産褥4日以降、持続すれば本症を疑う。 最も頻度の高い卵膜、胎盤遺残は分娩時の胎盤計測を慎重に行なうことである程度予知できる。 子宮収縮剤が第一選択治療になるが、軽症であれば医療介入を行なう前に、積極的に乳房マッサージや乳頭刺激を行ない授乳により子宮収縮を促すことも効果的である。 産褥1週間以降に発症する場合、腹壁からは子宮底が確認しずらく、積極的に内診するべきである。また、この時期に出血が持続する場合、卵膜、胎盤の部分遺残による可能性が高く、超音波検査なども併用する。
正常な産褥経過において、子宮は分娩後約6週間で妊娠前の状態に復帰する。この回復が遅れた状態を子宮復古不全とよぶ。授乳は子宮復古を促進するため、人工栄養の褥婦に多い。
子宮収縮を妨げる物理的要因:卵膜・胎盤遺残(最多原因)、子宮筋腫、子宮内感染症。 子宮壁の過度の伸展 子宮の疲労
子宮の収縮不良と血性悪露の長期持続(産褥4日以降)。内診により子宮の収縮状態を評価し、超音波検査で子宮内の遺残物の有無を確認する。
子宮収縮剤:第一選択治療で通常、麦角剤を用いる。 抗生物質:感染に起因している場合のみ投与する。 子宮内容除去術:産褥1ヶ月以内の子宮内掻爬は、子宮損傷を起こしやすく原則的には避けたい処置である。卵膜、胎盤遺残があれば保存的に治療を行ない(子宮収縮剤)、自然排出がない場合、超音波ガイド下に遺残物のみを除去するようにする。