リスクサイン
リスク1:子宮内胎児発育遅延.妊娠高血圧症候群.糖尿病合併妊娠.胎児奇形.
リスク2:下腹痛.性器出血.胎動の減少.
リスク3:胎動の消失.
病態生理
妊娠時期を問わず、子宮内で胎児生存が確認されたあと、胎児心拍動、運動などの生命現象が全く消失し死亡したものを子宮内胎児死亡(intrauterine fetal death:IUGR)という。原因は子宮内発育遅延と同様、母体、胎盤、臍帯因子に分類される。妊娠10ヶ月に最も多く、ついで妊娠5〜6ヶ月に多い。
妊娠初期では胎児の死後、酵素により自己溶解をおこし羊水中に完全に吸収されることが多い。それ以降の胎児では、羊水と体液の浸潤と自己溶解により表皮は軟化し、浸軟児と呼ばれる。浸軟?度は表皮の水泡形成ないし、これが崩壊剥離して暗赤色の真皮を露呈する。浸軟?度は深部組織ならびに体内臓器の弛緩軟変(流動性)が出現する。
死亡胎児が子宮内に長く留まると、胎児の組織トロンボプラスチンが母体内に吸収され、フィブリノ−ゲン消費が起こり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症することがある。
症状
妊娠初期は無症状のこともある。妊娠中期以降では不正性器出血、下腹部痛、腹緊、子宮増大感の停止、乳房緊満低下などがある。胎動の自覚がある場合は胎動が消失する。
治療
診断が確定したら、できるだけ早期に胎児および付属物を娩出させる。妊娠12週までは子宮内容除去術を行ない、それ以降はラミナリア、メトロイリンテルにより頸管拡張を行ない、陣痛誘発する。