リスクサイン
リスク1:なし.
リスク2:無痛性の性器出血(警告出血).
リスク3:大量の性器出血.出血性ショック.
病態生理
受精卵が子宮峡部、または内子宮口付近へ着床することにより発生する。内子宮口にかかる程度により、全、一部、辺縁前置胎盤の3種類に分類される。また、胎盤が子宮下部に付着するが、内子宮口に達しない状態のものを低置胎盤というが、前置胎盤には分類されない。頻度は全妊娠の約0.5%で、初産婦(0.2%)に比べ、経産婦で増加し、10回以上の頻産婦では約5%になる。
前置胎盤では出血が問題になる。子宮峡部の脱落膜は発育不良で薄いため、絨毛は子宮筋層内へ侵入し、血管を破壊する。とくに、前回帝王切開既往妊婦の前置胎盤では瘢痕部への絨毛侵入が容易なため癒着胎盤の頻度が高い。また、子宮下部の筋層は少なく収縮が弱いため、出血が多い原因になる。