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>TOP>情報コーナー「周産期看護マニュアル」top>偶発合併症>内分泌・代謝疾患 「周産期看護マニュアル よくわかるリスクサインと病態生理」
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甲状腺疾患は生殖可能年齢にある女性に好発する。ほとんどがバセドウ病だが、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の過剰分泌の場合もある。不妊や習慣性流産の原因になる。流早産、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育不全、胎盤機能不全のリスクが高く、周産期死亡率が高い。しかし、最近では妊娠中の検査、治療が確立し、ほぼ正常に経過することができる。
- 症状
頻脈、発汗、眼球突出(3徴候)があれば、視診、触診により甲状腺の大きさ、硬さ、圧痛などを確認する。
- 診断
甲状腺血中遊離トリヨードサイロニン(FT3)、遊離サイロキシン(FT4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定により診断する。また、抗TSH受容体抗体(TRAb)は胎盤を通過し児に以降するため、その測定は新生児の発症予測に役立つ。ただし、妊娠初期にはヒト絨毛ゴナドトロピンにより甲状腺が刺激され、機能亢進状態になることがあり、安易に診断してはならない。
- 治療
抗甲状腺剤チアマゾール(メルカゾール)、プロピルチオウラシル(チウラジール)を用いる。妊娠中は必要最少量で維持するが、分娩の刺激によりクリーゼ(急性増悪)をおこすことがあり、分娩前には増量する。
チアマゾールは胎盤を容易に通過し、胎児の甲状腺機能低下症を誘発したり、子宮内胎児発育遅延の原因となるため、プロピルチオウラシルがすすめられる。また、プロピルチオウラシルは母乳への移行も少ない。
甲状腺クリーゼ(頻脈、脈圧上昇、うっ血性心不全、発熱、下痢)の治療には、抗甲状腺剤、ステロイドホルモン、ジギタリスなどを用いる。
- 新生児
早産児、低出生体重児の頻度が高く、一過性の甲状腺異常をみることがある(抗TSH受容体抗体陽性:TRAb)。
未治療では妊孕性が低く、妊娠しても流産、死産に終わることが多い。甲状腺ホルモンの補充治療を行なう。